パンオプティックス（PanOptics, POX）は昨年夏に国内承認された３焦点の多焦点IOLです。シンフォニー（Symfony, Sym）は数年前から承認されているEDOFの多焦点IOLです。
EDOFとはExtended Depth of Focusの略で、焦点深度拡張という意味です。
POXでは遠方、６０ｃｍ、４０ｃｍに焦点のピークがありますので、運転、PC、読書のいずれも裸眼で可能を目指しています。Symは焦点を1.5ディオプターほど拡大することにより、遠くから中間（６０ｃｍ）までピントがあいます。中間距離重視のレンズです。
焦点の広さではPOXが有利ですが、コントラスト感度などで調べる視力の質ではSymが有利です。
メガネをはずすことを最重視する方はPOXを、視力を重視する方はSymをお勧めします。後者では、時々メガネが必要になります。
いずれもこの４月以降選定療養になり、健康保険との併用が可能になりました。結果として、自己負担金がお安くなっています。
もちろん、高齢、眼底疾患など、多焦点IOLをお断りすることも多いです。診察の結果単焦点IOLになったとしても、悲観することはありません。生まれたときからおつきあいいただいている、ご自分のレンズ＝水晶体は単焦点レンズなのですから。
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