緑内障の濾過手術

今週から学校の春休みが終わり、高速道路はスカスカになってますが、(だから春の交通安全運動が行われている)、高齢者の受診がとても多くなり、忙しい毎日となっています。

更に、先週は学会出張で予定手術が少なかった煽りで、今週は月曜から金曜までぎっしり手術が詰まってしまいました。白内障手術、硝子体手術、緑内障手術、レーシック、PTK、眼瞼手術、などなど、80件近くにもなります。

幸い、手術を担当できる医師が増えたため、これだけの件数がこなせるようになったのです。

今年は緑内障手術にも力を入れています。日眼の特別講演でも述べられていたように、緑内障の治療は眼圧を「十分に」下げることが大切です。この十分とは、人によって異なり、場合によっては10mmHgくらいのこともあります。これだけの低眼圧は濾過手術以外では実現不可能ですので、点眼薬のみならず、しばしば手術、それもレーザーやロトミーやMIGSではなく、濾過手術(トラベクレクトミー)が必要になってくるのです。

エクスプレスを用いた濾過手術は、虹彩切除を省略できますので、より侵襲の少ない方法と言えます。比較的若い人や続発緑内障でも行える汎用性があります。

ただし、濾過量の調整が意外に難しく、術後管理が大切です。レーザーによる切糸や縫合糸の追加が日常的に必要になってきます。また、感染など、晩期合併症もありますので気が抜けません。

一部の症例では失明を免れる唯一の方法になりえますので、とてもやりがいのある手術です。

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