屈折矯正白内障手術とハードコンタクト

最近人気の多焦点眼内レンズ、レンティスですが、多いのが、コンタクトレンズを使い続けて来た女性です。しかも、ハードコンタクトのユーザーがとても多いです。これは、世界的にも珍しい、我が国の特徴です。

ハードコンタクトは装用感が悪く、慣れるのに時間もかかりますので、ソフトコンタクトが世に出ると同時にすたれてきました。ところが、日本では未だにハードを使い続けているという人がとても多いです。

ハードはソフトにくらべて、乱視が完全矯正されますので、視力が良好なのが特長です。個人個人の角膜曲率に合わせた、オーダーメードのハードレンズなど、円錐角膜の治療にも使います。

しかし、さすがに年齢が60才を越えてきますと、いろいろな弊害が生じます。涙が減ってきますので、装用がとてもつらく、装用可能時間が短くなり、また、瞼の筋肉にも影響しますので、眼瞼下垂になる方も多いです。

とはいえ、今更ソフトに代えたくても、視力が低下しますので、その気になれません。近視度数がとても強いので(だからこそHCLを続けている)、メガネはとても無理です。

ということで、屈折矯正白内障手術の出番となる訳ですが、ひとつ問題があります。ハードを長期間装用し続けていることにより、角膜の形が変わっていますので、眼内レンズの度数計算が狂ってしまうのです。

これはLASIKでも同じですが、屈折矯正白内障手術でも、眼内レンズの検査の前に使い続けて来たハードレンズを最低3週間ははずす必要があるのです。

「この期間がつらい」との声も多く聞かれますが、手術のあとはメガネなしで遠くも近くも見えるようになるのですから、少しくらいは我慢していただきたいと思います。

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