黄斑前膜

今週は連休明けということもあり、白内障の予定手術はありません。しかし、緊急対応は必要で、今日も午後から硝子体手術を2件行ないました。

一例はいつもの強膜内固定でした。硝子体中にIOLが脱臼した症例で、そのIOLを摘出した後、形の如く新しいIOLを強膜に固定しました。所用時間は約1時間です。

もう一例は、黄斑前膜から黄斑円孔をきたした症例でした。薄い膜を色素(ブリリアント ブルー)で染色し、丁寧に網膜から持ち上げます。

昔はもっと発達した前膜なら先の曲がった針で持ち上げたものです。しかし、この方法ではごく薄い膜や網膜内境界膜の剥離は困難です。そこで、特別に設計された眼内鉗子を用います。これは、網膜を傷つけないように、先がやや丸くなっています。この鉗子を網膜にちょっとだけ接触させて膜を摘むのです。

とても微細な操作ですので、長い時間だととても疲れるのですが、最近の優秀な鉗子のおかげでなんとか無事終了することができました。

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