L Pレコード

先週の誰かのブログに書いてあったように、最近は音楽ソースが配信主体となっています。一定額でなんでも聴けて便利なようですが、実はソースのクオリティはあまり良くありません。それでもイヤホンやカーオーディオならあまり気になりませんが、原音再生を旨としたオーディオ装置のソースにはなりません。

 

それでは一昔前のCDはどうかというと、ふた昔前のLP(アナログレコード)と比較して優れているとは言い難く、より情報量の多いSACDなどが開発されたものの普及するには至っていません。ということで、最近、LPレコードがまたブームになっており、ファンが増えているようです。

 

昔からのクラシック音楽ファンである私は、LP、CD、SACDなどの色んなソースを蒐集しておりますので、全く同じ演奏を別ソースで比較することを趣味としているくらいです。

 


この写真の左はアンドレ プレヴィン指揮ロンドン交響楽団によるラフマニノフ交響曲2番の英国オリジナルLPです。優秀録音として有名なもので、1970年くらいに発売されました。右は同じ演奏のSACD版です。こちらは2~3年前にタワレコから発売されたものです。

 

 

この写真の左はレオニード コーガン演奏のチャイコフスキー バイオリン協奏曲の英国オリジナルLPです。1960年くらいに発売され、初発盤は希少性があり、今でも中古市場で取引されています。右は同じソースをSACD化したもので、2〜3年前にタワレコから発売されました。これら2種には半世紀以上の年齢差がありますが元となった演奏(磁気テープで記録)は同じです。

 

SACDやCDしかしらない人にとって、オリジナルのLPがどんなものか、興味あることでしょう。LPはオルトフォンのカートリッジ、アーム、ガラードのターンテーブルマランツ真空管アンプ(#7および#9)、タンノイ オートグラフ(スピーカー)という当時のままの装置で再生します。

 

CDやSACDはマークレヴィンソンのアンプとワット&パピーのスピーカーというより近代的な別の装置で再生します。プレーヤーはdCSの一体型です。

 

装置が違うので直接の比較ではありませんが、これらの装置で聴く限り、音の生々しさ、実在感という点で、LPがSACDを圧倒しています。どのソースでも概ね同じ結果です。ただ、SACDやCDの方が音の安定感は優れており、LPでは内周部で音が劣化します。

 

昔の方が音が良かったとは、多くの人にとって信じられないことでしょう。時代が変化してより便利になったのは間違いありませんが、失ったものもまた多かったのです。

 

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