白内障の成因

先週末は白内障屈折手術学会ということで福岡に行って参りました。あいにくずーっと大雨でほぼ会場に缶詰状態でした。その分、普段よりよく勉強できたような気もいたします。

白内障のうち皮質の混濁は紫外線のうちのUVBが原因であり、その証拠に混濁は紫外線の集まりやすい鼻下側に起こりやすいとのことです(コロネオ現象)。一方、核白内障は硝子体の酸素濃度の上昇が原因であり、硝子体液化と関連しています。網膜の高い酸素濃度が水晶体に達すると核白内障になります。若い間は硝子体がバリアーとなりますが、老化、眼軸の伸び(高度近視)、硝子体手術などでバリアーが破壊されます。

硝子体手術で水晶体を温存するためには、硝子体もなるべく取らずに残しておいた方がよいことがわかります。これは故田野保雄先生が提唱されていました。

今週の月曜日には硝子体手術を2例行いました。そのうちの1例はDMの硝子体出血でしたが、比較的若年でしたので、水晶体を残しました。硝子体もなるべく周辺部まで取らないようにいたしました。

術中の観察装置として普段はBIOM2を使っているのですが、最近よく宣伝されていますので一度使ってみたいと思い、BIOM4を借用して使いました。すると、後極部の血管がすごくよく見えました。操作が自動化されているだけではなく、光学系、特に接眼レンズが大きく改良されています。ZEISSのResightなどの後発品に触発されたのでしょうか。

当院のようなライカ手術顕微鏡のユーザーにとって、BIOMの改良はとても助かります。


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