IOL縫着

今日はお昼から白内障手術が21例行われ、特に問題なく終了いたしました。昨日は眼内レンズ脱臼例にたいするIOL縫着やLASIKなどが行われました。

IOLの脱臼は一定の確率で起こります。特にチン氏帯が弱いというわけではなくとも、硝子体手術との同時手術例や外傷でよく見られます。

IOLの縫い付けはいろいろな方法があり、学会でも毎回のように新しい方法が報告されています。最近は折り畳みIOLを小切開から挿入し、縫い付ける方法が多いようです。縫い付ける位置も、耳側切開だと上下ということになります。

しかし、今回のように脱臼IOLの摘出を同時に行わなければならない場合、小切開からの摘出という訳にはまいりませんので、IOLも一体型のものを水平に縫い付けることになります。

プロリン糸が露出するのを防ぐため、強膜の半層切開を行います。なるべく厚めの切開をおこない、糸を深く埋めます。

昨日の症例では網膜剥離手術の既往があったため、硝子体はすでにほとんどありませんでした。IOLはかろうじて硝子体腔に浮かんでいる状態。こんな場合、眼球虚脱を避けるために、インフュージョンポートが必要となります。

縫い付けでは硝子体の処理も複雑になりますので、硝子体手術装置が欠かせません。


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