今日は特殊手術日で、内反症などのほか、年に一度くらいのECCEが行われました。
最近の超音波手術装置の性能アップにより、ECCEの頻度は極端に減っていますが、さすがに年に一度くらいはあります。どれだけ硬くとも、時間をかければ超音波で砕くことは可能とはいえ、総合的に判断してECCEがベターということもあります。
ECCEの場合でもCCCは行います。ダブルフック法により核を前房に娩出し、輪匙で出します。
先週の金曜日、日刊ゲンダイの取材を受けました。夕刊紙とのことで、中年男性に多い目の病気について訊かれました。新聞各社はどことも部数減に悩まされています。電車での通勤時、今では携帯ネットやゲームが主流であり、新聞をわざわざ買って読んでいる人は少数派になっています。パームやグーグルによる携帯型端末が普及すると、更に苦しくなるでしょう。
土曜日は某社の主催する眼科手術の勉強会に講師として参加しました。多焦点や乱視矯正のいわゆる「プレミアム」眼内レンズについての会でした。
眼科医の最大の関心事は今年の保険改定で眼科医療がどう査定されるかということです。昨年末来、「勤務医不足」や「救急、産科、小児科医師不足」のため、儲けすぎている科の報酬を減らすべきだと、眼科、整形、皮膚科をやり玉に挙げる論調がありました。眼科医にとっては迷惑な話です。
眼科が儲けすぎというのは単なるデマに過ぎません。それどころか、10年前くらいから白内障手術の減額が繰り返され、4年前にはコンタクトレンズの診療費が激減しました。整形や皮膚科も同様です。
過去の減額に耐えたことをもって「儲けすぎ」とは、あいた口がふさがらない論理ですね。
白内障手術の点数が減額されてきたことにより、今でも、手術の提供をあきらめる眼科医が増えてきています。この傾向を強めることは、即、眼科医療の崩壊そのものです。
さすがにまずいと思ったからか、医師の技術料主体に増加させるとの方針が決まりました。
卒後10年以上にわたり、まじめに努力して初めて得られるのが専門医の技量です。これを生かすことができるようなシステムにしないと、結局のところ、社会にとって大きなマイナスになるでしょう。
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