レンズがずれた話

先日「レンズがずれているので診て欲しい」とやってこられた患者さんがいました。なんでもちょっと頭をぶつけたそうで、手術を受けた眼科医で「ずれている」と言われたとのことでした。

 

当院では、眼内レンズの脱臼症例に対する強膜内固定を数多く手がけていますので、脱臼症例が紹介されてくることも多く、手術日はどうしようか、など考えながら診察いたしますと、全くIOLは安定して正常でした。

 

その旨説明していてふと気がついたのですが、手術をされた先生の説明で「ずれている」というのは、度数のずれではなかったかということです。

 

確かにその眼は裸眼視力が0.8程度で、他眼に比べ低く、軽度の遠視です。「(度数が)ずれているから裸眼視力が悪い」という説明の「ずれ」を、患者さんがIOL脱臼と勘違いされたようです。

 

度数のずれはメガネで矯正できること、どうしても裸眼で視力を出したければタッチアップLASIKという手段もあることなどを説明しますと、安心して帰って行かれました。

 

日本語のあるある話でした。

 

ST