27G硝子体手術

当院で使っている硝子体手術装置では、25G(ゲージ)に加えて27Gのカッターが使えます。より細い27Gでは回転速度も7500回転/分まで高めることも出来ます。

先端の孔がより小さく、回転も早いので、一度に吸引(切除)される量が少なく、より精密な切除が可能です。剥離している網膜の傍で使っても、慎重に扱えば網膜に孔をあけることがありません。

増殖型糖尿病網膜症(PDR)に伴う牽引性網膜剥離(TRD)に威力を発揮いたします。

PDRの増殖膜は後極部にありますので、手術のアプローチはしやすいのですが、結構しっかりしており、網膜のあちこちで強固にくっついていますので、引っ張ってはがすことが出来ません。網膜に孔があいてしまいます。

そこで、膜と網膜の隙間の部分にカッターをすべりこませ、膜を少しずつ切除するということが必要になってきます。この操作には、27Gカッターが(25Gに比べ)圧倒的に優れているのです。

先日行なった症例では、網膜に萎縮裂孔があいており、剥離が拡大する途中でした。このまま放置しますと、剥離はみるみるまに広がり、手術不可能にすらなりかねません。裂孔を伴うTRDは緊急的な手術対応が必要です。

27Gカッターのおかげで、とても奇麗に短時間で手術ができました。

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