メイド・イン・ジャパン

先月、お世話になっている民謡の会の発表会があり、伴奏のお手伝いを依頼されました。
楽譜を見て津軽民謡の三味線を弾くだけならと軽く引き受けたのですが、事前の打ち合わせでプログラムを見ると、オープニングにフルート独奏と載っていました。
なぜフルート、しかもオープニング、独奏って…と驚きました。
フルートは何年か前に篠笛の代わりに使ったことがありますが、それ以降吹いていません。
会主に聞くと、「御神楽で獅子舞出てくるから、獅子が眠るところでフルートで『五木の子守唄』吹いてほしいねん」
と。
YouTubeで五木の子守唄を覚えて練習し、前日のリハーサルを迎えました。
しかし、昨日まで普通に吹けていたフルートの音が鳴らなかったのです。
よく見ると、どこかのバネかネジが取れたようで、息が菅の途中で抜けていました。
自分では直せず、修理に出すにも間に合いません。
そこで母の古いフルートが家にあることを思い出しました。
ケースを開けてみると、放置しすぎて錆びており、これは無理だと思いました。
が、試しに吹いてみると私のフルートより、なめらかな良い音で吹きやすいのです。
当日は、母の錆びたフルートで無事乗り切り、おめでたい獅子舞を披露することができました。

母のフルートは30年程前のYAMAHAのもので、私のフルートは10年程前のもので比較的歴史の古いメーカーで、母のものより高価でした。
それなのに、長期間メンテナンスしていない安いものの方が断然良い音だったことは衝撃的でした。
頼れるのは、ブランドものより、Made in Japanでした。

M.S