自由診療でも人気のレンティス

今週は自由診療の多焦点IOLレンティスを3名5眼に使いました。

先進医療のものに比べ、値段も高く手術までの期間も長くかかるのになぜ人気があるのでしょうか。

それはひとえに「視力が出やすいから」というに尽きます。ここでの視力とはもちろん裸眼視力のことです。

では、なぜ視力が出やすいのでしょうか。小生が考えるに、一つは患者さんの目に合わせた乱視矯正が出来ることです。IOLの形から軸ズレが起きにくいのも大きな特長です。

二つ目は、普通の単焦点レンズと同じく、屈折型ということです。いわばトーリックレンズを二枚組み合わせたようなものです。

三つ目は、他の多焦点レンズよりも中間距離の視力が良好なことです。これはなぜか、しくみはわかりません。しかし、データでははっきりと差が出ます。多少の屈折誤差があっても、視力の出る範囲が広いので、結果として問題となることが少ないのです。

今までのデータを解析しますと、術後に+0.5D程度の遠視になっていても、視力が落ちることはありませんし、1m前後の中間視力も比較的良好です。

従来型よりも新しいX型のほうが近くの視力がより出やすい傾向にありますので、若くて瞳の大きい患者さん以外は主にこちらのタイプを使っています。

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