手術施設不足の足音

昨日から3日間、ゴールデンウィークの中日で外来診療を行っております。ただし、手術は予定を入れておりませんし、緊急対応も行っておりません。金曜日からまた4連続休日となり、術後の対応が困難となるからです。

とはいっても病気は休日を避けてはくれません。昨日、今日と、眼底出血、偽黄斑円孔、網膜剥離などなど、やや緊急性の高い患者さんも来られました。連休明けの週からの手術予定が満杯となっています。

最近よく患者さんから「白内障手術の予約がどこも一杯で・・・」というお話を伺います。医療施設によって手術のキャパ(週に行える白内障手術の数)が一定で、それをオーバーすると、予約が先へ先へと延びてゆくだけです。上に述べた緊急性の高い疾患が優先され、白内障は後回しになる傾向がそれに拍車をかけます。

当院では週最大60件の白内障手術をこなせますので、今のところ、2カ月以上お待ちいただくことはありません。

大学の関連施設や開業医などで、手術を止めるところも増えてきているようです。手術を行うためには、医師や看護師、検査員などのスタッフが大勢必要で、手術数が少ないと止めた方が診療の効率が上がるからです。

結果、一定以上の例数の施設に手術患者が集中し、ますます混雑し、手術待機期間が伸びてくることになります。かっての社会党政権時代、医療費を削減しすぎたつけで、イギリスでは癌の手術が一年待ちと言われたこともありました。これを改善したのが、先日亡くなられたサッチャー女史でした。

うわさされているような、白内障手術点数の切り下げがありますと、今後、大阪などの大都市でも、眼科手術難民が出てくるかもしれません。

そうならないような対策を、これからはみんなで考えて行く必要がありそうです。

ST