HOYAの多焦点IOL

多焦点IOLには屈折型と回折型があり、どちらにもそれぞれ長所と短所があります。我が国で認可された唯一の屈折型多焦点IOL、リズームが製造中止になるとの噂があり、どうしたものかと思っていたところ、新たにHOYAから屈折型が発売されることになりました。

屈折型の短所はグレア、ハロが強いことで、人によっては耐えられないレベルになることもあります。その代わり、回折型にくらべ解像度が優れていますので、単焦点レンズの僚眼や片眼白内障でも気軽に使える利点があります。

リズームは遠近が5ゾーンに分かれておりますが、新しいHOYAは3ゾーンで、中央部から遠、近、遠となっております。レンズ面の大半が遠用ということになり、いわば遠方重視の屈折型多焦点です。その意味では、日本未発売ながら評判のよいレンティスに似ています。

多焦点レンズは結局のところ焦点を分散させるので、単焦点よりも光学系のクオリティが落ちます。その意味からは、遠方重視の配分のほうが単焦点に近く、使いやすいと言えるのです。

当院では9月から使用する予定にしています。

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