緑内障の患者さん

春休みが終わって、多くのご家庭では一段落ですが、眼科は突然忙しくなりました。子供や孫の手が離れて、高齢者の受診が可能になったからだと思います。眼科手術、特に白内障手術はご高齢の患者さんが多いため、はっきりとした季節性があります。

春はまた緑内障の季節でもあります。なぜか、眼圧の上がる患者さんを多く見かけます。中には視野が欠け始めている人もチラホラ、十分に注意しなければなりません。

緑内障は、昔は眼圧と視野、それに眼底所見が重要でしたが、今ではOCT検査が最も大切といっても過言ではありません。名人芸を必要とした、眼底乳頭陥凹や神経繊維欠損の観察が、とてもたやすく、客観的データとして測定できるのですから。この検査のおかげで助かった患者さんが大勢いらっしゃいます。

今日も、「孫を診てもらうからついでに」とこられた80過ぎの女性で、以前に白内障手術を受けられた患者さんの眼圧が少し高いので、念のためOCT検査を行ったところ、緑内障の初期変化が発見できたので、精密な視野検査と正確な眼圧測定を行ったところ、開放隅角緑内障と診断できました。さっそく、点眼治療を開始いたしました。今後、点眼を続けなければなりません。

今回偶然に見つかったとはいえ、これを放置しておいたとすれば、半年〜1年のうちに視野欠損を自覚するようになり、数年のうちに視力低下に至っていたかもしれません。年齢とともに受診もおっくうになってくるでしょうから、なおさらのことです。

お孫さんは近視のメガネを作りにこられただけでした。まさに「瓢箪から駒」といったところですね。


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