三流になった日本の医療

御茶ノ水井上眼科病院院長の若倉雅登さんの書かれた本の題名です。

眼科医が医療制度について語るというのは非常に珍しい感じがして、思わずアマゾンから購入いたしました。

たくさんのデータを示して、日本の医療制度がいかにお粗末になったかを判りやすく説明されています。医療費のうち国が負担するのは三分の一であるにもかかわらず、あらゆる細部にいたるまで国が決定し、計画経済になっていますが、その総枠が必要額を大きく下回っているので、医療が崩壊しています。医療費はOECDの主要30カ国でも下位に位置づけられます。

社会保障給付費の国際比較を見ますと、日本は対GDP比17%と、30か国中24番目です。一位はスウェーデンの33%です(2003年)。これにより、日本は、国民に相談することなく「非福祉国家」の道を選択したとしています。

医療費の国庫負担9兆円は、公共工事85兆円にくらべあまりにも少ないとのことです。

神経眼科の専門医でありながら、これだけの著述をものにされる著者の力量に、ちょっとびっくりです。


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