CASIA2のバージョンアップ

白内障LASIK、ICL、緑内障、角膜疾患などなど、前眼部OCT(CASIA2)の出番は多岐に及びます。

 

最も分かりやすい利用は、角膜の形状や厚みを測定することでしょう。当院でこの器械を購入した動機は、LASIKの術前、術後に使うためでした。術前は適応検査として、術後はフラップの厚みや角膜形状の測定です。

 

次いで、緑内障の隅角検査です。この部分は保険適応にもなっています。隅角の狭さ、閉塞の有無が全360°観察され、数値化もされます。白内障手術で隅角癒着解離術を行った時など、手術の効果が一目瞭然です。

 

こんなCASIA2に、最近さらに驚くべき機能が付加されました。

 

そのうちの一つが、トーリックレンズの軸を描出し、角膜乱視の軸との差を計算できるようになったことです。これで、軸ズレの有無が簡単にわかるようになりました。しかも、これが無散瞳でできるのです。

 

もう一つ、有水晶体眼内レンズICLのサイズを決定するのに重要な、隅角径が測定でき、そこから実際に使用すべきサイズを計算する式も搭載されたことです。ICLのサイズが大きすぎると浅前房になって緑内障の危険がありますし、小さすぎると水晶体との距離が近すぎて白内障の危険が出てきます。適切なサイズがオートマチックに出てくるのは素晴らしいことです。

 

このような機能はAI時代の到来を予感させます。人がいろんなデータを駆使して判断するよりも、器械が判断する方が正確になる時代がすぐそこまで来ています。

 

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