基礎訓練

何事でも基本が大切です。ピアノ演奏も当然のこと、何となく楽譜をなぞって弾いてみても、録音して聴いたらめちゃくちゃです。やっぱり、きっちりと、一音一音、均一した音が出せることが基本で、また、テンポやリズムが狂うととても聞き苦しいです。

そもそも、人間の指は5本とも大きさも長さも違います。そして、日常でもよく使う親指、人差し指とそれ以外の指とでは、筋肉の着き方が違いますので、ピアノを弾く動作における各指の条件は大きく異なります。

それでは、親指と人差し指が有利かというと、必ずしもそうではありません。一般的に、男性は中指に比べ人差し指が短く、女性はその反対のようです。女性の方が、3度和音の音階は有利に違いありません。そのかわり、男性の方が筋肉の量が多いので、和音の響きや繊細なトーンには有利です。

私は昔から人差し指の音に欠陥がありました。両手ともです。大きなコンプレックスだった訳ですが、ある本によると、シューマンが練習のし過ぎで傷め、演奏家を断念した指が、右手の人差し指だったそうです。これは奥さんのクララの証言です。なるほど。

指の力が弱いからといって、練習をし過ぎるとダメなようです。

ある有名なピアニスト(確かショパン)は、「指にはそれぞれ個性があるので、それを利用して表現するのがよろしい」と言っています。納得です。

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