LASIKのフラップ作成法について

当院ではLASIKのフラップ作成に、フランス、モリア社のOne-Use Plus SBKという機械式ケラトームを使用しています。一方他のクリニックでは、フェムトセカンドレーザーでフラップを作る方法を導入している施設も多く、「何故、フェムトレーザーを使っていないのですか?」とのご質問をうけることも時々あります。

素人の患者さんにとって「レーザー」というと何となく良い方法のように思ってしまいがちで、そんな心理を逆手に取った宣伝も一部で行われているようです。

では、本当のところはどうなのでしょうか?フェムトも導入から5年以上経過し、機械式ケラトームとの比較について、数多くの論文があります。そのうち、最近の総説的な論文を紹介したいと思います。パブメドで抄録の閲覧が可能です

読んでいただくとお分かりのように、フェムトは機械式に対して、安全性、効率の観点から優位性はありません。視力のみならず、HOA(高次収差)の検討でも有意差は出ません。ただ、角膜びらんの頻度は機械式で多く、DLK(術後のフラップ下の一次的炎症)は逆にフェムトで有意に多いです。

施術時間では、圧倒的に機械式が短時間で済みます。

ということで、LASIKの結果はフェムトでも機械式でも変わらないとすれば、より時間が短くて済む機械式ケラトームにまだまだ優位性があると考えます。

今回報告されたような結果は、両ケラトームの性能を冷静に比較すると容易に想像されることです。

ただ、矯正精度についてはフェムトが優位の可能性があるとのことですが、これとて、フェムトというよりはフラップが薄いということの結果と思われますので、当院で使用している薄く切れる機械式ケラトームが今のところベストな選択と思われます。

もちろん、フェムトセカンドレーザーは角膜移植、LRI、角膜切開で良い成績を出すことができます。素晴らしい技術には違いありません。ただ、既成の技術を駆逐するほどのものでもないということです。


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