今週末は学会

今週は金曜日から名古屋で「日本眼科手術学会」があります。眼科における3大学会のひとつでもあり、金曜日から参加の予定をしております。職員も一部参加いたします。

とはいえ、正直、演題を渉猟するというよりは、旧知の先生方にお会いしたりすることのために行くのですが・・・。「誰が何している??」「誰それがどんなこと始めた??」てな感じで、噂話にうつつをぬかすのです。

開業医としては白内障手術がもちろんメインですが、屈折手術(LASIK)も行っている施設も100件ほどあり、また、硝子体手術を行う施設も最近増えてきています。みなさん、どんな具合になさっているのか、おたがい興味深々というわけです。

先週は久しぶりに落下した水晶体の摘出を行いました。当院としては数年ぶりということになります。水晶体落下はそれほど多いわけではありません(5000眼に1眼くらい)。今週の手術学会の演題を拝見すると、ある施設では6000眼のうち落下が6眼あったとのこと。これはちょっと頻度が多いような気がいたします。破嚢率が2.4%ということですが、これは当院の10倍の頻度となっています。

当院の破嚢率は0.5%以下と非常に少ないのですが、これは術者、器械、ナースが固定されていることが大きいです。教育目的の総合病院はその点、分が悪いですから。まあ、破嚢しても、その後の処置がちゃんと出来ていれば、問題はありません。

昨日は網膜剥離の手術を行いました。手術学会の演題では、「空気タンポナーデ」がちょっとしたブームになっているようです。長期滞留性のガスではなく、空気のみだと、術後数日でガスが無くなりますので、患者さんに無理な姿勢を強いる期間が短くなり、それだけADLの障害が少なくなります。日帰り手術では理想的とも考えられます。

シャンデリア、広角観察装置により、周辺部までの硝子体の処理が容易になったことにより、術後の牽引が少なくなり、長期タンポナーデの必要性が少なくなっているのは事実でしょう。

しかし、不十分なタンポナーデにより再剥離してしまっては元も子もありません。そのあたりが難しいところです。

当院では、今のところ、従来よりもSF6の量を少なくすることにとどめております。


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