LASIKか白内障手術か

先週の火曜の続きです。LASIK白内障手術はどう使い分ければよいのでしょうか?

LASIKは水晶体を触りませんので、調節力を温存しますが、削れる度数に限界があります。最高でも−12Dで、−8Dくらいまでが無理のないところです。

白内障手術では水晶体を摘出しますので、調節力が失われますが、近視度数が強くてもIOLの種類さえ選ばなければほぼ矯正が可能です。−20Dや+10Dの矯正が可能です。

LASIKは近視のみならず乱視も矯正できる利点があります。ただ、白内障手術でも、最近は、乱視矯正度数のはいった眼内レンズ(トーリックIOL)が開発されておりますので、乱視矯正が可能ともいえます。LRI(角膜輪部減張切開)や切開方法の工夫でも乱視を軽くすることができます。

調節力のある若い世代で、−8D以下の近視はLASIKの適応であり、60代以上で白内障があれば白内障手術の適応に間違いありません。

では、60代以上の屈折異常で、白内障(−)の場合はどうでしょうか?判断に困ることも少なくありませんが、遠視や高度近視ならばLASIKではなく白内障手術のほうがよいでしょう。いわゆる、透明水晶体摘出です。

40代くらいでも、屈折異常に白内障を伴っておれば、当然、白内障手術が適応となります。

40前後で調節作用がまだ残っており、白内障はないものの、近視が強すぎてLASIKの適応にならない時はどうするか?

1.低矯正を覚悟してLASIK、2.透明水晶体摘出+単焦点IOL、3.透明水晶体摘出+多焦点IOL、4.有水晶体眼内レンズ(フェイキック)のいずれかからの選択です。

年齢、白内障の有無、近視の度数、角膜厚、もともとの視機能、安全性、予算のすべてを加味しつつ、方針を決定しなければなりません。一筋縄では行きません。


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