黄斑前膜の手術

今日来られた患者さんの中に、他院でERM(黄斑前膜)の手術を受けられた方がおられました。白内障手術を両眼に行ない、片眼は同時に硝子体手術で黄斑前膜の除去手術を受けられたのですが、こちらの眼の変視症(物が歪んで見える)が取れないとの訴えでした。

黄斑前膜の手術は、OCTの普及により加速度的に増加しています。患者さんにしても、実際の膜を大きく拡大して見せられては、「手術を受けよう」と思われることが多いと思います。

旧来の考えでは、矯正視力が0.7以下くらいに落ちている場合が手術の適応でした。しかし、今では、視力(1.0)以上でも手術を希望される方が多くなっています。

ここで間違ってはならないのは、黄斑前膜を除去したとしても、正常な黄斑窩が回復し、変視症が無くなるとは限らないことです。また、治るとしても、数ヶ月の期間を必要とすることが多いのです。

ということで、患者さんの思いと実際の結果が食い違うことがとても多いのです。

黄斑前膜の手術では適応を慎重にすると同時に、術前の説明が大切です。

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