強主経線切開法

今日も忙しい1日でした。午前の外来の後、昼からは白内障手術が15眼と結膜弛緩の手術を1件行いました。

昔はお昼から白内障手術20件が当たり前でしたが、最近は同じ時間で15〜18件くらいです。それだけ時間がかかっているということになります。これは多焦点レンズが増えたことと関係しています。

多焦点では術後の「裸眼」視力が求められますので、屈折誤差と乱視にとても神経を使います。

屈折誤差を出さないためには、破嚢しないのは当然の上、適度なサイズのCCCを作って亀裂なく手術を終了しなければなりません。破嚢(ー)亀裂(ー)を100%達成するため、神経を消耗するのです。

また、乱視矯正のためしばしば、角膜曲率が強い部分での「強主経線切開」を行います。手がっての悪いところから切開しなければならないと、手術がさらに難しくなり、時間もかかります。

今日は15例のうち4例で強主経線上切開を行いました(多焦点は5例)。

術前の1.5D以上の乱視が0.5Dくらいになっていると嬉しくなります。

多焦点レンズそのものに乱視矯正(トーリック)が入っているとこんな努力は不要です。海外のようにトーリックの入った多焦点を早く復活していただきたいものです。

しかし、トーリックでもレンズの回転による誤差がつきものですので、その心配のない強主経線切開法はなかなかの優れものです。2D以下の乱視矯正はこの方法で十分かと思います。

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