当院のHPのイメージキャラターともなっているピアノはベヒシュタインのグランドです。1970年代生産のビンテージで、昨年購入しました。
奥行き165cmとグランドとしてはもっとも小さいタイプですが、グランドピアノならではのタッチと音質を備えています。
自宅で使っているスタインウェイは奥行き188cmの中型で、こちらのほうが当然のごとく音量、表現力とも上ですが、ベヒシュタインのよいところは独特の輝きのある音色と均質なタッチで、古典やバッハを弾くにはスタインウェイよりも弾きやすく、楽しいです。
今や、コンサートやCD録音ではスタインウェイしか使われません。スタインウェイが絶対的標準となっており、ピアノといえばスタインウェイのことです。しかし、スタインウェイの歴史はせいぜい1850年までしかさかのぼれず、現代ピアニストがレパートリーにしているクラシック曲の大半は、実はスタインウェイの無かった時代のものです。
今でも手に入るピアノでは、ベヒシュタイン、ベーゼンドルファー、ブリュートナー、グロトリアンなどのほうがアメリカで成功したスタインウェイよりも、ロマン派の作曲家がイメージしたピアノに近いのではと思うのです。
CDでは昔の録音、たとえばケンプのモノラル期のベートーベンは多分ベヒシュタインですし、バックハウスやグルダのものはベーゼンドルファーが使われています。スタインウェイとは全く異なる音色です。
実はショパンが愛用したというプレイエルを手に入れたかったのですが、かないませんでした。機会があれば手に入れたいですし、ベーゼンドルファーもいつかはと思っています。
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