糖尿病網膜症に対する硝子体手術

今年度の手術は今週で終わりです。術後が正月休みにかかりますので、来週は手術を予定していないからです。

月曜は糖尿病網膜症に対する硝子体手術(+水晶体摘出)を行いました。DMに対する手術の目的は様々ですが、大きくは、1)硝子体出血による混濁の除去、2)網膜剥離につながる牽引の解除、3)黄斑浮腫の治療、などがあります。多くの場合、これらのうち複数の目的を持っています。

昨日行った症例では、1)と2)および、PRPCが目的でした。DMと診断される前にいきなり、硝子体出血などの視力低下で受診した患者さんです。まず内科におけるコントロールが必要ですので、2ヶ月くらい待った後の手術でした。DMの存在を眼科で発見されることもまた多いです。

手術は23Gで行いました。増殖膜の処理はカッター、フックトニードル、眼内鉗子、垂直剪刀などで行います。シャンデリア照明と広角観察装置を用いていますので、器具を両手で把持出来、手術がずいぶんと安全になりました。

昔、硝子体手術導入の頃、DMに対する増殖膜の処理でしばしば医原性の網膜裂孔ができ、場合によっては術中に剥離が生じることもあったことを思うと、昔日の感がいたします。したがって、昔はよくシリコンオイルを使ったものでした。

今日はお昼から白内障手術を20件行いました。そのうち、3例が40代以下の若年でした。アトピーに伴う若年性の白内障は最近増加傾向にあります。手術自体は高齢者と変わりませんが、術後の老視対策で、独特の考え方が必要になってきます。


ST