眠りにつくとき

今は一日に疲れてしまった
私の熱い望みもすべて
喜んで星夜に屈しよう
疲れた子供のように

手よ、すべてをそのままにせよ
額よ、すべての想いを忘れよ
私のすべての感覚が今は
眠りに沈むことを望んでいる

そして、解き放たれた魂は
自由に飛び回りたがっている
夜の魔法の世界の中へ
深くそして千倍生きるために

 

上記、ヘルマン ヘッセの詩を管弦楽伴奏付きソプラノ独唱曲として作曲したのがリヒャルト シュトラウスです。作曲者84歳の作品で、「四つの最後の歌」として出版され、後期ロマン派を代表する名作とされています。

 

今年の連休にパリを旅行しましたが、郊外にある、ゴッホが晩年に過ごした宿でこの曲がかかっていました。

 

この曲は昔からシュワルツコップの二度目の録音が有名で、ジョージ セルの伴奏、録音共々非の打ち所がない名盤です。グレン グールドが「孤島に持って行きたい1枚」としたことで、更に注目されることになりました。

 

しかし、初演したのはノルウェーのソプラノ、フラグスタートで、伴奏はなんと!ウィルヘルム フルトヴェングラーでした。1950年のことです。シュトラウスは初演を見ずに亡くなりましたが、初演を望んだのがこの組み合わせだったのです。

 

その際のライブ録音がテスタメントで復刻されていますundefined

 

さすがとしか言いようのない演奏で、深い感動に包まれます。セルのあっさりした伴奏とは異なり、ここというところでテンポが遅くなり、思い切り歌うフルヴェン節が健在です。

 

マニアならずとも必携の一枚です。今ならタワレコで在庫ありです。

 

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