河川の謎

 実家の愛知県に帰省する際に近鉄アーバンライナーをよく利用します。
その車窓から見える景色には四季を感じさせてくれる田舎の風景が多くあります。
 三重県から愛知県ににさしかかるまでにいくつかの大きな河川を渡ります。
長良川もその一つで、晴れた日には川面が輝いて見とれてしまう瞬間がよくあります。
 長良川付近で長年気になっていた物が数年前に「長良河口堰」なるものだと判明したたのですが、ご覧になったことはあるでしょうか?

 見る方向によって一見、巨大マッシュルームのようで、近未来に林立する建物か、とあるアニメの戦闘機か??といったい何のために河口に建っているのだろうかと思っていました。
 長良川河口堰とは1984年から6年かけて作られた堰で、治水と利水を目的に作られた堰でした。この河口付近では昔から大雨の際には氾濫、洪水を繰り返し住民に多大な被害を与えていたそうで、様々な策が考えられ、摂られてきましたが成功しなかったようです。最終的に川底を掘り下げ大量の水を蓄える方法に行き着きましたが、この方法をとると海水が上流まで遡上し、水道や農業用の取水ができなくなります(塩害)。全てを解決するために長良川河口堰が建設されたそうですが、流域住民や漁業関係者らの反対も多く、完成までには様々な問題があったそうです。現在でも、シジミやアユの漁獲量減少の要因であったり、プランクトンの繁殖増加の要因ではないかと問題になっているようです。
 不思議な形だと眺めていた物に、様々な歴史や問題があったんだなーと考えさせられました。
                                           I.K