トーリックIOL

最近、トーリックIOL(乱視矯正の入った眼内レンズ)を使うことが多くなりました。

理由のひとつは、多焦点IOLのリストアにトーリックが出たことがあります。多焦点の場合、術後の乱視は困りますので、1.5D程度の軽い乱視でもトーリックを使いたくなります。

また、普通の単焦点IOLでも、乱視が2.5D以上も残るのは好ましくありません。単にIOLの種類を変えるだけで乱視が矯正されるのですから、使わない手はないわけです。

ただし、今のところ、乱視矯正レンズの度数が0.75Dきざみと、大雑把なのが難点です。せめて球面度数と同じ0.5Dくらいにしてもらいたいところです。

ということで、たとえ乱視矯正レンズを使ったとしても、±1.0Dにおさまれば上等といえます。

また、同じ残るなら、正乱視が好ましいとされています。したがって、もともと正乱視の方は低矯正を、倒乱視では過矯正を狙います。

80才以上のご高齢の患者さん、特に女性、では、2.5D以上の強い倒乱視の方も多いです。術後にいちいちメガネを掛けなくても、手元くらいははっきり見えるようにして差し上げることは、QOL(Quality of Life)やADL(Activity of Daily Living)の改善にとても有効と思います。

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