3種の神器

当院のホームページによると、2015年にDRI OCT Tritonが、2016年に前眼部OCT CASIA2が導入されたと書いてあります。CASIA2は今年になってCASIA2 Advancedにバージョンアップされました。これらに超広角眼底カメラ OPTOS Daytonaを加えた3つの外来検査機械は、さながら現代版眼科外来3種の神器と申せましょう。

 

CASIA2はスリットランプ、 TritonとDaytonaは検眼鏡の応用(代用)であり、昔ながらの直接観察とは比べものにならない、正確かつ多様な情報を提供してくれます。昔は専門医の中でも名人芸を必要としたものが、今では誰でも出来るようになったということでもあります。

 

急に寒くなった昨今、増えてきているのが網膜剥離や裂孔です。今日だけでも2例の急性期裂孔の患者さんが来院されました。裂孔は網膜の周辺部にできますので、昔の眼底カメラでは撮影が困難でした。 Daytonaによれば広角260°の撮影が可能ですので、周辺部の網膜裂孔を撮影できます。患者さんに病変部を見ていただくことにより、治療の必要性を簡単にご理解いただけるようになりました。

 

Daytonaでは走査レーザーで撮影しますので、比較的光量が少なく、無散瞳でも撮影可能というのも魅力です。初めて来られた患者さんを無散瞳で撮影することにより、眼底の病変を確認した上で、次の段階、例えば視野検査や眼鏡処方など、散瞳してしまえばできなくなることを即日に行えます。

 

後眼部OCT Triton、前眼部 OCT CASIA2も無散瞳での検査が可能ですので、無散瞳でほとんどの疾患、例えば白内障網膜剥離、眼底出血、緑内障加齢黄斑変性、網膜前膜などの診断が可能になりました。散瞳せずに済ませることにより、再診回数を減らしたり、自動車での来院が可能など、患者さんの利便性を向上させることもできます。

 

また、CASIA2で狭隅角が確認され、散瞳による眼圧上昇発作(事故)が予想される場合、白内障手術当日まで無散瞳で全ての検査を行うこともあります。

 

もちろん、より正確な情報を得るためには、散瞳検査が基本となります。

 

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