網膜剥離の手術

春先に気温の変化が激しくなると、網膜剥離が好発します。網膜剥離まで行かなくても、硝子体剥離による飛蚊症の訴え、網膜裂孔に対するレーザー治療も多くなっています。

硝子体は眼の中のゼリー状の液体で、コラーゲンとヒアルロン酸を含み、透明で粘着性があり、周辺部では網膜に固着しています。気温の変化により硝子体が縮み、後極部から剥離し、網膜固着部分で網膜に裂けめ(裂孔)が出来、硝子体液が網膜の下に侵入する状態が網膜剥離です。

治療は速やかに行わなければなりません。ほうっておくと、増殖性変化をきたし、難治となりますし、回復後の視力も期待できません。

手術は硝子体手術を行います。硝子体を切除し網膜をひらひらにしたあと、裂孔の周囲をレーザー凝固し、空気で灌流して剥離を戻し、長期滞留性のガス(20%SF6または12%C3F8)を充填します。

ガスがなくなるまでに、すべての裂孔の癒着が完成すれば治癒いたします。癒着までにはほぼ2週間かかりますので、その間の対応がとても大切です。

場合によっては厳格な姿勢の管理、ガスの追加が必要です。

今週は2例目の網膜剥離が入りました。当院では網膜硝子体術者が2名(+非常勤術医1)、手術場も緊急対応が出来るよう整えています(常勤看護師9名)。

ST