夏の終わりに 

今日でほとんどの学校の夏休みが終わります。かつて長い休みの始まりはいつもウキウキで、8月31日は憂鬱な日でした。その理由は宿題の事と明日2学期からまた早起きをしなければいけない事、そして9月2日には「宿題テスト」というものが控えているからです。

学校を卒業し就職してからは長期の休みはなくなりましたが「宿題」も「テスト」もなくなり、仕事の方がいいな..思ったものです。

私の職場は大阪、中之島にあった大学病院の眼科研究室(今はもうありません)そこはとても自由な空間。大学院生の先生、研修医の先生、外の病院で勤務されているけれど週に数回研究のために中之島に来る先生...たくさんの眼科の先生が出入りされていて、その先生方の実験の準備や、実験の助手、後片付け、実験動物の世話などが私の仕事でした。

先生方の中で個人的にとても仲良くしていただいた先生がおられました。5歳年上でお姉さんのように慕っていました。優しくて美人で賢い女医さんです。フルタイムでお仕事されているのに、週末にはよく遊びに行かせてもらいました。お料理も上手でした。お舅さん、お姑さんとも同居されていました。

ある時、Y先生はお昼に研究室に来られて休憩されていました。とてもしんどそうです。「Y先生、なんか具合悪そうですね?大丈夫ですか?」と尋ねると「今日は朝から熱があってしんどいのよ。ちょっとここで休ませてね」「熱があるなら、お家に帰って寝てはったほうがいいのと違いますか?」と言いますと、Y先生は「しんどいから仕事場にいてるのよ。家だったらお義母さんいてるからゆっくりできないの。」と。当時22歳独身の私にはかなり衝撃的な発言でしたが、その数年後にY先生の言葉が真実であることを思い知らされるのです。

研究室を退職後も、先輩嫁としていろいろな悩みに相談に乗っていただいたりしていました。今年の3月に何年ぶりかにお会いして、来年の2月にはY先生の大好物の泉州名物「わたり蟹」を食べに行きましょうね〜!と約束したばかりなのに、それなのにY先生は昨夜天国に旅立たれました。今朝、当時の職場の後輩から連絡をもらい、「有り難うございました。」そして「さようなら」と挨拶に行って来ました。先生のご冥福を心よりお祈り申し上げます。合掌

Y.T