新しい治療法の可能性

加齢黄斑変性は中途失明原因となりうる深刻な病気の一つです。

脈絡膜新生血管が発生する滲出型黄斑変性では、新生血管をいかに抑制するかが重要で、現在は抗VEGF薬(ルセンティスやアイリーア)を眼内に注射する治療が主流となっています。以前の手術療法やレーザー治療と比較して、明らかに治療成績は良いですが、なかなか完治に至らない症例もあり、また繰り返しの投与が必要なるなどの問題点も多数残っています。

最近のトピックスとして、この黄斑変性症とヒスタミン受容体に関連があり、新たな治療方法としての可能性が言われています。

ヒスタミン受容体はアレルギー反応に関与するヒスタミンH1受容体や、胃酸分泌に関連するヒスタミンH2受容体が広く知れ渡っていますが、ヒスタミンH4受容体が黄斑変性と関連している可能性があり、実際にマウスでの実験では、ヒスタミンH4受容体拮抗薬が新生血管の縮小に効果があることが確認されています。また、網膜に対する毒性もなかったようで、今後このヒスタミンH4をターゲットとした加齢黄斑変性の内服治療というものが開発されるかもしれません。

TN