老眼治療

今週は中日の水曜が祝日ということもあり、手術をお休みしています。この間、手術室では、4月から実施予定のフェムトセカンドレーザーの準備が行われています。

当院では長いこと粘って機械式ケラトームを使用してきたわけですが、フェムトレーザー普及の波に抗しきれず、ついに導入することになりました。従来から愛用しているエキシマレーザー、VISXStarS4IRと同じ会社で、対になる機種ですので、新しく設定値を変えたりという必要もなく、3月までと同じ感覚で手術が行えます。患者さんには同じベッドに寝たままで、両方のレーザーを受けていただけます。手術の結果も同じことになるであろうと予想しています。

当組み合わせは世界的にみて最も普及している装置ではありますが、競合機種も多数発売されております。しかし、自院における症例の積み重ねは貴重であり、ウェーブフロント照射を行う限り、結果は非常に安定しています。今更別のレーザーを使う気にはなれません。

−8D(ディオプター)を越えるような高度の近視では、無理をしてLASIKをするよりは有水晶体眼内レンズICLのほうがよほどよい結果を得られますので、当院ではウェーブフロント照射以外の方法で近視矯正エキシマレーザーをあてることはありません。

ところで、話は変わりますが、今日お越しになった患者さんで、「老眼の治療」を希望された方がおられました。世の中には老眼手術としていくつか提供されているものがありますが、そのいずれも、若いころの調節力を回復するものではありません。

ピンホール効果や収差を増加させて偽調節を得る方法、あるいは、単純に遠視を矯正して近方視を回復する方法、または、多焦点眼内レンズなどがありますが、いずれも一長一短があり、切り札ではありません。

特に多焦点眼内レンズを希望されても、術前に白内障がないと行えません。

視機能を落とさず(矯正視力を維持して)老眼を治療するには、最も単純に遠視LASIKが無難と思われます(当然ながら、遠くの視力は低下します)。

より遠視の強い片眼のみ遠視LASIKを行い、ほんのわずかの不同視(モノビジョン)に持ってゆく方法をお勧めいたしました。

ST