多焦点IOLは「裸眼で生活したい」との希望を叶える素晴らしい方法ですが、IOLの光学特性をよく理解し、ご自分の生活パターンに合ったレンズを選ばないと、後で後悔することにもなりかねません。
ピントの合う範囲はどこか、コントラスト感度の低下はどの程度か、光の滲み(ハロ)はどうか、がレンズによって異なるからです。
一般的に、ピントの合う範囲を広げてあるほど、コントラスト感度が低下し、ハロも強くなる傾向にあります。ということは、最も副作用の少ないレンズは単焦点IOLということになり、裸眼で生活したいとしても、深度と副作用の折り合いをどうつけるかが勝負どころとなります。
例えば、車の運転とコンピューター仕事のどちらもということになると、深度の広い2焦点や3焦点が必要になってきますが、運転をしない、あるいは近くはほどほどで良い場合、深度を少し広げただけで副作用の少ないEDOFレンズの方が良いでしょう。
当院では、多焦点IOLのうちEDOFのシンフォニーと2焦点のテクニスマルチがほぼ半々です。
収差の増減で深度を出し、基本屈折型のミニウェルレディ(EDOF)は、遠くにピントを合わせても、近くが50cmとなんとかPCが可能なまで見える上、ハロが少ない特徴がありますので、オススメです。ただし、先進医療保険の適用外となります。
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