ラヴェル

年とともに関節が硬くなってくるのか、昔弾けていた部分が困難な感じがすることがあります。昔から弾けていなかった可能性ももちろんありますが。

 

右手と左手を比べると、右利きで普段から右手を使っているせいか、ピアノは左手の方が弾きやすいです。左は練習しなくてもなんとかなるのに、右手はなかなか音が揃いません。

 

練習しすぎてピアノが弾けなくなるジストニアは、大抵右手が冒されます。左手のための作品が多数あるのは、そんなピアニストが多かったからでしょう。

 

ピアノを弾いていて、困難な部分が弾ける時ほど嬉しいことはありません。指使いを工夫したり、左右の手で音を分担したり、ペダルを使ったりとか、いろんな方法を試しているうちに弾けるようになってきます。

 

最近ハマっているのが、水をテーマにした作品です。例えばショパンなら「舟歌」。さざ波を思わせる二重トリルが印象的です。リストなら「エステ荘の噴水」とか「泉のほとりで」。水面のキラキラ感や水しぶきを思わせる音がピアノならではの効果です。

 

更にすごいのがラヴェルの「水の戯れ」。この曲は多分にリストを意識したようで、技巧的にはその上を行きます。難しいとは言うものの、すごく練習意欲をそそる曲です。

 

ラヴェルの楽譜は日本の出版社が大活躍です。作曲者直伝のサラベールやショットは運指の提案がなく、音の間違いも多々あるそうですので、ラヴェルに限っては、全音や春秋社の方が良いくらいとされています。

 

こだわりの人には、まだ全曲は出ていないようですが、ペータース(ロンドン)とヘンレの原典版がやはり気になるところです。

 

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