シューベルトのピアノ曲

子供の頃から習っていたおかげで、ピアノ演奏が趣味になっています。最近はアダルトピアノとか言って、大人になってから始める老人も多いようです。ピアノ演奏は指先の感覚を研ぎ澄まし、耳を鍛え、楽譜を覚えると、認知症の予防に最適だからです。

 

楽譜を見て弾くplay from musicはクラシックピアノならば子供の頃から習うことです。実際、大抵の曲は初見でも何とかなりますし、ピアノがなくても楽譜から音楽を(心の中で)聴くこともできます。

 

ところが、曲を覚えて弾く、つまりは暗譜というのは、より難しいです。これをplay from memoryと言います。ピアノ演奏は楽譜を見ながらでも暗譜してでもどちらでも出来なくてはなりません。

 

いちど聴いた曲をピアノで再現する技術はplay from earと言いますが、これが最も難しいのです。複雑な曲を瞬時にピアノで再現するのは、名ピアニストと言われる人でもなかなか困難だそうです。ギーゼキングやオグドンは凄かったらしいですが。

 

曲の難しさと芸術性、聴いての心地よさは必ずしも一致しません。自分で弾くとなるとなおさらです。

 

ということで、手術の後などに演奏するのは、手慣れて易しく、芸術的な曲ということになります。もちろん作曲家の好みも出てきます。

 

シューベルトソナタや小曲、ベートーベンのソナタの緩徐楽章、ショパンノクターンやワルツなどがそんな曲です。

 

もっと最近では、ドボルザークのユモレスクなどの小品、ドビュッシー子供の領分など易しい目の曲、グリークの抒情小曲集などでしょうか。

 

ショパンピアノ曲は600曲余りで、全曲ともレパートリーにしたくなる名曲揃いですが、一部の曲でどうしても演奏困難な部分が残ってしまいます。

 

ところが、シューベルトピアノ曲は歌曲の伴奏も含めますと、ショパンやベートーベンよりもよほど多いのです。技術的に困難でなく、芸術性が高いので、アマチュアには最高です。

 

独奏曲ではソナタが全21曲、即興曲全11曲、楽興の時6曲、幻想曲3曲、ワルツ無数、などなど。更に、4手のための連弾曲が多数あり、バイオリンやチェロとの室内楽が多数、また、歌曲の伴奏だけで分厚い本が7冊もあります。

 

シューベルトだけで年中過ごせます。

 

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