人工硝子体

眼球の体積の約8割を占める硝子体に外力が加わったり、液化することで網膜剥離や黄斑円孔といった疾患が引き起こされます。こういった疾患に対しては、硝子体切除術を行い、切除した硝子体の代わりに医療用ガスやシリコーンオイルで置換しますが、ガス、オイルともそれぞれ長所短所があります。

ガスは術後一定期間腹臥位の姿勢を保持する必要がありますが、ガスは自然吸収され抜去の必要がありません。オイルは吸収されないためタンポナーデ効果が続く半面、一定期間経過した後、オイルを抜去する手術が再度必要になります。

それぞれの短所を補完する人工硝子体の開発が試みられて久しいですが、Oligo-TetraPEGハイドロゲルという素材は、動物実験においては良好な成績を収めているようです。

今後の臨床応用に期待です。

 

TN