Extended Depth of Focus

Extended Depth of Focus(EDF)とは焦点深度延長ということになりますが、多焦点IOLの新しい方式として世界的に注目を集めています。

AMO社のSymfonyやアルコン社のリストア2.5AF(Active Focus)などです。このうち、前者はこの春から日本での使用が可能になりました。先進医療適用です。

従来の多焦点は2重あるいは3重の焦点で、レンズの焦点の位置を2箇所、あるいは3箇所に分散したものでした。テクニスマルチ、レンティス、ファインビジョン(当院では不使用)などです。全て、ピントの合う位置以外ではボケが入り、「中間部が見にくい」とか「光が滲む」とかの副作用があります。

一方、EDFレンズでは、ごくわずかの加入度数に止めることにより、深度曲線の中抜けがありません。結果、従来のマルチに比べ、「ハロ、グレア」や「コントラスト感度の低下」が少なく、単焦点レンズに比較しての違和感が少なくなっています。

その代わり、加入度数が少ないので、従来のマルチほどは近くが見えません。30〜40cmの距離は従来のマルチの方がよく見えます。

EDFレンズは「普通の単焦点レンズよりはメガネ依存を少なくしたいものの、マルチにつきものの副作用は避けたい」というニーズにマッチします。

今日はお昼から白内障手術でした。そのうち5例が多焦点レンズでしたが、うち3例でEDFレンズ(Symfony)を使用しました。

EDFにするか、従来のマルチにするかは、患者さんのご要望によります。当院では、実生活をよくお聞きした上で、最適のレンズを選択しています。

EDFレンズは、先進医療保険を掛けておられるにもかかわらず、多焦点レンズにするのはちょっとためらわれるという方にもオススメしたいです。

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