副院長の硝子体手術

今週は先週ほどの忙しさはありませんが、月曜から予定手術がつまっています。

昨日は硝子体手術を3件行ないました。黄斑前膜と白内障の同時手術、硝子体出血、そして網膜剥離でした。

網膜剥離はバックルか硝子体手術か迷うことが多いですが、バックルの場合、術後の安静が不十分だと閉鎖不全に陥ることがあります。よほど硝子体がしっかりしている若年の網膜剥離以外は、硝子体からのアプローチをとることが多くなりました。

黄斑部の剥離がガスタンポナーデにより術直後から復位しますので、視力予後がすぐれています。また、バックルを置かないことにより、眼球の変形がなく、痛みも少ない上、屈折変化もありません。ただし、再剥離した場合、PVR(増殖性網膜症)になりやすい欠点があります。

いかに一度の手術で治すかがポイントであり、苦労する点でもあります。

裂孔を冷凍ではなく光凝固で処理することや、裂孔閉鎖が出来るだけの充分なガスの量を入れることが大切とされています。

いずれにしろ、水晶体を温存したままでの硝子体からのアプローチは広角観察装置やシャンデリア照明が無ければありえなかったことで、器械の進歩とともに可能になったことに違いありません。

4月に着任した永井副院長は硝子体手術も得意としておりますので、硝子体手術を小生と二人で取り組むことが出来るようになりました。

早速、4月の終わりから、糖尿病網膜症、硝子体出血、黄斑前膜などの手術を担当していただきました。心強いことです。

ST