LASIK後の白内障手術

屈折矯正手術レーシックが普及して15年になります。レーシック以前は放射状角膜切開RKが近視矯正の標準術式でした。これらの手術を受けられた方も50代60代となり、白内障で視力低下となる患者さんもぼちぼちおられます。

レーシックでは角膜の中央部にレーザーをあて、角膜の曲率を変化させて近視を矯正します。いわゆる「フラットな」角膜になっています。白内障手術で眼内レンズの度数を選ぶ際、これが誤差の元となることがあり、通常の計算式ではなく、特別な式を用いる必要があります。

当院にある最新の検査装置「IOLマスター700」では、レーシックを受けられた方のための特別な計算式も搭載されています。

しかし、ひとつの式で安全というわけではありませんので、アメリカの学会が提供しているソフトも用いるなどして、慎重に対処いたします。

近視レーシック、遠視レーシック、PTK、RKと、それぞれ微妙に異なります。当院では、過去にこのような患者さんの白内障手術を多数手がけており、そのデータも大いに参考になります。

それでも術後の屈折が狂ってしまった場合、IOLの度数交換(再手術)あるいはレーシックで対処いたします。

レーシックでせっかく裸眼生活を手に入れたのだからと、白内障手術後も裸眼で生活するために多焦点レンズを希望される方もおられます。レーシック後でも大抵は多焦点レンズが可能ですが、屈折誤差が生じやすいことを考慮すると、術後の追加レーシックが可能な角膜厚が残っていることを確かめることが大切です。

屈折誤差補正のレーシック(タッチアップレーシック)は時に屈折矯正白内障手術の切り札となります。

ST