連休明けの手術

今週はまた忙しい日々に戻ってしまいました。

昨日は硝子体混濁に対するトリプル手術、眼内レンズ脱臼に対する強膜内固定術、結膜下腫瘤の摘出手術などを行いました。今日はお昼から、白内障手術を19眼行いました。

白内障は一例一例水晶体の硬さが異なり、また、瞳孔の開き具合、更には最近多いIFIS(ハルナールなどの泌尿器薬による虹彩組織の脆弱化)などが影響して、全例同じように行くとは限りません。むしろ、同じ結果を出すのはとても難しいと言えます。

しかし、よく躾けられた超音波手術装置によれば、これらの難関を比較的簡単に通り抜けることができます。核の硬さに応じて超音波の出し具合を調節し、虹彩の余分な動きを止めるために流量を下げ、核片が角膜内皮に衝突するのを避け、余分な後嚢の濁りはチップの先でこすり取れます。また、粘弾性物質の洗い出しは、流量を最高に上げて行います。これらの変化はすべて足先で行うことが出来、手術中の各場面に、自由自在に切り替えることができます。

白内障症例で同じように奇麗な手術が出来るとすれば、それは大部分、超音波手術装置のおかげです。

眼内レンズの強膜内固定の際には、硝子体の処理が必要ですが、最近の効率の良い25Gカッターが威力を発揮します。眼内レンズを固定する毛様帯溝のまわりには、基底部の硬い硝子体がまつわりついているからです。

多様な症例と向き合うことにより、日々、手術器械のありがたさを実感しています。

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