アシュケナージ父子

先日、名ピアニストのアシュケナージ(ウラジミール)が息子さんのヴォシュカと2台のピアノで演奏するというので、聴きに行ってきました。

アシュケナージは小生よりほぼ一回り年上ですから、70代の後半のはずですが、とても元気で髪もふさふさ、もともと小柄なこともあって、とても若く見えました。息子さんは外見はほとんど似ておらず、背も高く、メガネを掛けていました。

お父さんは楽譜も裸眼で見えているようで、白内障の手術で近くにピントが合っているのか、はたまた多焦点眼内レンズでも入っているのかわかりませんが、それだけでも若々しい感じがします。

アシュケナージは1970年代から指揮者でもあり、ピアノの演奏会はほとんどしていなかったそうです。今回ひさしぶりということでしたが、その割には達者なもので、すごい迫力でした。もともとソ連の教育の成果で技術が抜群な人ですから当然とも言えますが。

小生も最近手がけた、シューベルトの連弾曲「ハンガリー風ディベルティメント」を弾いたのですが、よく観察すると、父アシュケナージ(左側)が連弾のプリモ(上声部)とセコンド(下声部)から、重要な部分を常に弾くという、稀なスタイルでした。

息子さんもそれなりに弾ける人ですが、お父さんとは比べるべくもありません。そこを自覚しているからか、重要なパートは常にお父さんが受け持っていたという訳です。

ピアノ1台ではなく、2台で連弾のそれぞれのパートを受け持つというスタイルだからこそ可能なことです。ちょっとめずらしい体験でした。

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