IOL交換手術

3月に入ってもまだまだ寒い日が続きますが、下旬には櫻の開花も予想されており、日増しに春らしさを感じます。

この季節、寒暖の変化が激しいからか、循環障害や硝子体出血の患者さんが多くなります。硝子体手術や抗VEGF薬の出番も多くなります。

昨日は網膜分枝動脈閉塞症の患者さんが来られました。残念ながら、動脈閉塞の場合予後は不良で、治療効果はあまり期待できません。その点、静脈閉塞とは異なります。

白内障(水晶体の濁り)、硝子体出血、網膜剥離、黄斑前膜など、外科的治療が奏功する疾患ばかりとは限りません。視力が低下していても、手術で回復する疾患ならばラッキーといえます。

今日はお昼から白内障手術を20件行いました。うち、多焦点IOLを1件、トーリックIOLを2件に使用しました。また、1例は眼内レンズの交換手術でした。

トーリックの軸決めは術前に行っておきます。当院では前眼部OCTによる虹彩紋理の解析法、あるいはスリットランプで270°(最下部)に印をつけ、写真を撮る方法を行っています。

IOL交換の症例は、別の病院で手術を受けられた方でしたが、もともと近視だったのに術後正視になり、近くが見えにくくなったとの訴えでした。メガネを使えば近くも見える訳ですが、患者さんの術前の期待とは異なっていた訳です。

IOL交換は初回手術からの期間、IOLの種類、YAGを行っているかどうか、初回手術の出来などで結果が大きく左右され、場合によってはあきらめることもあります。

IOL交換が出来なくても、LASIKあるいは、新しい眼内レンズの追加(ピギーバック法)で同様の効果が得られますので、ご安心ください。

ST