屈折矯正白内障手術

最近人気の多焦点IOLですが、今週も5名の方に使用いたしました。そのうちのほとんどが女性です。

民間保険に「先進医療特約」があり、眼科分野では多焦点IOLが相当します。最近、このレンズの希望者が多いのもそれが原因と思われます。ただ、誰にでも使用可能というわけではありません。

最終的に「メガネをはずしたいですか?あるいはよりよい視力を得たいですか?」という質問をします。もし後者ならば、単焦点レンズの適応ということになります。男性の多くはこちらを選ぶ傾向にあります。

術後、裸眼での生活を実現するには、眼内レンズで屈折を正確に合わせることと、老眼をいかに回避するかの2点を考慮する必要があり、普通の白内障手術とはコンセプトが大きく異なります。これを「屈折矯正白内障手術」といいます。

多焦点IOL移植術は屈折矯正白内障手術の一種ということになります。保険が併用されるとはいえ自費診療になるのは、屈折矯正手術LASIKが自費であるのと同じです。

屈折矯正白内障手術は多焦点IOLだけではありません。日本未導入の調節性IOL、左右の屈折に差をつけるモノビジョン、乱視矯正IOL、ピギーバックIOL(アドオンレンズ)などなど、すべて屈折矯正を目的としています。

フェムトセカンドを用いた白内障手術も、屈折矯正白内障手術の一環です。

今後、これらの技術が日本にもスムースに導入されることを願っています。

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