お盆前の駆け込み

お盆休みを控えているせいか、このところ手術が立て込んでいます。特に先週の金曜日は、輪状締結を2例に行い、そのうち一例はPVRでシリコン注入という、難症例がありましたので少し疲れました。

今週月曜日には久しぶりにICL(有水晶体眼内レンズ)を行いました。高度近視の方の若年性、片眼性白内障で、片眼を白内障手術で治す(と同時に近視も治っている)と同時に、もう片眼の高度近視をICLで治療したわけです。結果として、術後は裸眼での生活が期待できます。

白内障手術の方は多焦点IOLを用いるか、あるいは通常の単焦点IOLを用いて、少しだけ近視を残し、モノビジョンに持ってきます。多焦点IOLで解像度が不十分と思われる場合、モノビジョンがベターです。

多焦点IOLは光学特性から当然生じるピンボケ、waxy visionが悩みの種です。この点では、回折型よりも屈折型がましということはよく報告されています。片眼に回折型、もう片眼に屈折型を用いるmix & matchという方法があるのも、いわば苦肉の策という訳です。

老眼を治す(遠くも近くもメガネなしで見える)ことの代償として、現時点の技術では致し方のないことです。

日本では認可されて保険が使えるレンズ以外でも、自費診療ならば使用可能です。その代わり、混合診療ができません。アメリカはその逆で、混合診療が可能ですが、FDA未認可のものは使用禁止のようです。

今後、世界で発売中のIOLで日本未導入でも、よいものがあれば積極的に使ってゆきたいと思っています。

ST